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最悪ノ出会イ 4
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「俺は皇だ。
ちなみに未成年に売る煙草はありませーん」
青年は何故かさらっと名乗り、さらっとお引き取り願い、いつも老婆が座っていたレジ台の前に座った。
「いや名前じゃなくてだな…!
ばっちゃんはどうしたんだよ!」
俺は完璧寛大な心の持ち主。
ぶちギレそうな所をそう自分に言い聞かせて、
レジ台に両手を付き老婆の行方を聞く。
「さゆりさんの事か?」
皇と名乗った青年はそう小首を傾げた。
銀縁の眼鏡の向こうの瞳は真っ黒く、吸い込まれそうだった。
老婆の名前をさらっと呟いた皇に月人ははっとなった。
「もしかして愛人…」
目を見開いて溢した月人の頭部に皇の手刀がヒットした。
「さゆりさんは俺の恩人だ。
体の具合が良くないらしくてな、娘さんとこ行ってんだ」
代わりに俺が店主、と皇は怠そうに説明した。
手刀がヒットした部分を抑えながら月人は、ああそう…、と目を細めた。
「ほら煎餅やるからとっとと帰りな」
皇の言葉に月人は頬をひきつらせた。
「だから未成年じゃねえっての…つーかこれ段ボールじゃん!」
顔の前に差し出された段ボール用紙を奪い取り叫ぶ。
ん?、と皇が眉間にシワを寄せた。
あ、と月人は段ボールを握り締めた。
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