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使イ魔ハ猫 2
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月人は店から続く自宅の横に設置された
物置小屋の前で立ち止まった。
開きっぱなしの扉の向こうには主に段ボール箱が並んでいる。
「ごしゅーさまー」
上の方から高い声が降ってきた。
月人は物置小屋の中に入って段ボール箱から古本を取り出す。
「シロエ…お前三日も帰って来なかったな…」
古本を両手に抱えて外に出ては、物置小屋を見上げてそう溢した。
物置小屋の上に真っ白な猫が乗っていた。
紫色の首輪を付け、黄色い瞳でこちらを見ている。
「えー三日も?それヤバいー」
他人事のようにシロエは呟き、
軽い身のこなしで月人の足元に降り立った。
君ね…、と怒りそうになったが例の呪文で落ち着きを取り戻す。
「で、こんなとこで何やってるんですー
見た感じパシりっぽーい」
グサッと来る事を言われシロエを睨み、歩き出す。
「パシりじゃない。
あいつがどーしても俺の力を借りたいって言うから
貸してやっているだけだ。うん。」
自分で言って自分で頷く月人の二歩後ろをついて歩きながら、シロエは小さく笑うように鳴いた。
「へえーさすがごしゅーさまー」
全く心のこもっていなさそうな言葉が足元で聞こえた。
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