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使イ魔ハ猫 5
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シロエは不思議そうに月人を見上げた。
「ごしゅーさま?」
殴られ馴れしているシロエは、
本当に心底不思議そうだった。
少し申し訳なく感じるほど。
「…バレたんだよ…ここの仮店主に」
唐突に情けなくなって、ぽつりと溢してしまった。
完璧な自分が、使い魔に弱音に似たようなことを溢すなど許したくはないが
今はそんな事よりもっと屈辱的な状態なのだ。
今まで完璧で通してきた自分が誰にも知られてはいけない事を知られた挙げ句、こんな風にこき使われているなんて。
「ごしゅー…さま…が?」
シロエはまた驚いたように眼を丸くした。
長い時の中、初めての出来事なのだ。
月人は改めて事の重大さを思いしり、その場にしゃがみ込んだ。
古本がずっしりと膝にのしかかる。
「そうだよ…この俺が…あんなやつに…っ」
月人は苦し気に言い、
シロエは心配そうに月人の膝に片手を乗せた。
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