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アイツノ正体 6
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昼間の間はやっぱり無理そうだ。
夜に出直すとしよう。
帰ろう、と踵を返す。
「月人くーん?仕事サボって何してんのかなァ」
不意に頭の中で声が響いた。
月人は目を見開き、勢い良く振り返る。
店のレジ台から一歩も動かず、相変わらず主婦の話に頷きながら
皇の目だけがこちらをじっと見ていた。
ばれていた。ばれていたのだ。
月人は動悸がするのを感じながらも、その場から動けずにいた。
「倉庫に"赤と黒のベッドサイド"って本があるから持ってこい」
また頭の中で声が響いた。
皇の爽やかすぎる笑顔が逆に怖い。
どうやらハイスペックなのは向こうも同じらしい。
しかし自分は脳に直接語りかける術は持っていない。
「なんで俺が...」
「バイトだろ。店主の言う事絶対」
「ぐ...仮のくせに...」
月人はその場で呟きながらも、
ギクシャクと強張った身体を引きずり倉庫に向かった。
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