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奇襲、ダイサクセン 4
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網戸越しに涼しい風が部屋の中に入り、
レースのカーテンがふわふわと揺れていた。
部屋の真ん中に置かれた背の低い机の上には
飲みかけのカップと本の山。
傍らのソファにも本が雪崩れていた。
その上に静かに寝息を立てる、魔女。
黒いジャージのままソファに横になり、
眼鏡が顔からずれ、
広げたままの本は胸辺りに置かれその上に片手が乗り、
もう片方はだらりとソファから落ちている。
これが生物の頂点に立つ存在だと、笑わせるな。
なんともだらしのない姿ではないか。
月人は頭の中で罵ったが、
なぜかその姿に魅入られてしまっている自分に気付いた。
肘掛に乗った細い足首、長く伸びる指。
流れるようにしなやかな黒髪は窓から差し込む光に照らされて艶めいている。
そしてジャージの隙間から覗く、白い首筋。
ーーーーー美味そうだ。
そう思ってしまい、月人は慌てて首を振った。
男に対して"捕食"しようと思ったことは一度もなかった。
別に美人でなくてはならないという理由はないのだが
出来れば綺麗な女性が良いし
幸い月人の容姿だとそれが可能である...と自負している。
しかし魔法で制御している今はその必要もない。
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