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魔女狩リ、返討チ 6
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あの時廊下で感じた甘い香りがした。
「食欲抑制?」
皇はくすくすと愉快そうに笑った。
その通り、月人は魔法でそんなに血を飲まなくても生きていけるような身体になっていたのだ。
現代で捕食をするのはなかなか大変であるし、
下手すれば生身の人間相手だと殺しかねないからだ。
何がそんなにおかしいのか、一大事なんだぞと思ったが月人は血に飢えた赤い瞳で皇を呆然と見る他なかった。
しかし魔法のない月人に捕食をする力はない。
「あんた...残酷だな..じわじわと殺す気..?」
こうなってくると笑うことしかできなかった。
月人は笑みを浮かべやがて掴んでいた服からも手が離れる。
最後に食事をしたのはいつだったか。
今は強い魔力を撥ね退ける力もなく、皇と対峙しているだけで体力をごっそりと奪われるようだった。
「魔女は退屈が嫌いなんだよなぁ」
皇が片手を上げると開きっぱなしの店の戸が閉まる。
そして手を触れずしてカーテンもしまり店は薄暗くなった。
「...っていうのはまあ冗談で、
俺はさゆりさんのこの店を守りたいからここに居てえんだよ。」
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