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居候美少年 3
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「ふぅー...俺としたことが取り乱してしまった」
月人は顔を洗い髪を整えきちんと制服を着こなしいつもの"完璧な俺"になるとようやく落ち着いてきて
あれは寝ぼけていたせいで、いくら完璧な俺でも
間違うことくらいはあると思い込むことにした。
思い込まねばとてもではないが保っていられない。
これ以上皇に弱みを握られてはたまるかと月人は台所に立っていた。
一体いつ以来使ってないのだろうというほど閑散とした台所から察するに皇は料理など一切していないようだった。
というかあいつは人間の食材を食べてるのだろうか?
「まあいいか。文句言ったらねじ込んでやる」
トントンとリズミカルに包丁を走らせながら、
月人は悪態を付くのであった。
吸血鬼である月人は食べなくても平気なのであるが、
長い時の中で暇だったので覚えたのと
何よりシロエに与えなければならないので、
毎朝毎晩一応自炊はしてやっているのだった。
「ごしゅーさまぁおはようございます」
シロエの声が足元でして、足に擦り寄ってくる。
本来使い魔の方が早起きして食事の準備をするべきなのだが完全に立場が逆転していることに気付いていない月人であった。
「シロエ~お前なぁ起こしてくれればよかったのに...」
「ふぇ?」
「あーもういいわ。座ってろ」
月人の言葉を受けてシロエは静かに歩いて行った。
廊下を挟んで向こう側が畳の部屋で、
時代を感じるちゃぶ台が置かれている。
鍋からは美味しそうな香りが漂い始めた。
料理が完成に近付いてくるにつれそれが完璧な食事だということが実感出来て、達成感と充足感が高まっていく。
そう、やはり俺は完璧。
完璧素敵な存在なのである。
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