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居候美少年 6
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高校というところはかなり丁度いい。
月人の年齢は人に比べれば遥かに上だが吸血鬼でいうところの高校生ぐらいの年齢なので、あっているといえばあっているのだろう。
勉強もちょろいし動かしやすい大衆意識にいい感じに汚染されているし
魔法を使ってうまくやり過ごすには丁度いい。
時代から取り残された自分達化け物は、
寿命尽きるまで暇潰しをして生きていくのだ。
学校に着くや否や数人の女子が駆け寄ってきた。
「おはよう月人くんっ」
口々に声をかけられて流石俺!と自信を更に取り戻す。
そう、俺は魔法なんかなくたって、モテる!!!!
わざわざあんな長髪野郎の血なんか飲まなくたってその気になれば上質な美少女の血が手に入るのだ。
今は食欲は抑えられているため平気だけどな。
そう抑えられているからだ!
「ねえ今日帰りヒマ?」
「ちょっと抜け駆けしないでよっ」
テンプレな会話がなされ、普段なら魔法プラス魔性の微笑み一つでいなせるのだが今はそうもいかない。
「悪いけど忙しい...んだよね...」
そう呟くと、ええー!と不満の声をこぼされ
思わず、ご..ごめん、と謝ってしまった。
すると女子達は意外そうに目を開き、
今まで言い争っていた2人は顔を見合わせている。
「なんか月人くん最近丸くなったよね」
「そうそう。前はツンって突き放されてたし、
なんか1人で遠くにいるみたいな感じだったのに」
女子らの言葉に、
月人は内心焦ってしまって思わず下を向いた。
魔法が解けてきたからだろうか。やばい..。
「勿論クールな月人くんも好きだけど、今の方がなんかいいかも」
「でも待って...もしかして彼女できたとか...?」
「それは許せないんですけど!?」
「いや...居ないよ..」
勢いのある彼女達をなんとかいなしながも、
今の方がなんかいい。という言葉に胸がざわついていた。
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