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居候美少年 7
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月人が高校にいるのは、
別に人と触れ合いたいからではない。
人間の世界で人外の者が生きていくのはやはり大変で
魔法を駆使し、食欲抑制をし捕食しなくても生きていけるような体にしたり
記憶操作などで無理やり辻褄を合わせ、
それなりの立ち位置を維持し不都合なものは全て排除し
また必要なものは捏造したりして
試行錯誤を重ねてようやく手に入れた平和な生活スタイルがこれだっただけだ。
だから高校生らしい青春だとか、
友達とか、それこそ恋人だとか
そんなことを考えたことはなかった。
所詮自分は吸血鬼で、
分かり合えるはずもなければ馴れ合う必要もないから。
死ぬまで平穏無事に完璧に過ごせればそれでいい。
それなのにあいつに出会った時から、
ずっと怒りっぱなしで
この完璧でなに不自由のない平和な数百年が嘘みたいに、上手くいかないのに
なんで俺は翻弄され続けているのだろう。
教室で初めて隣の席のやつの顔をマジマジと認識し、
会話し、笑いあって。
そんなことをしたのは初めてだった。
それが妙にむず痒くて、
怖いような気さえした。
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