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飢エト乾キ 2
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なんだよ、と文句を言ってやろうかと思ったのだが
不意にぐらりと視界が揺れて蹌踉てしまう。
咄嗟に窓枠に腕を引っ掛けたが、ちゃんと立てそうにない。
「おい、大丈夫か?」
皇が呆れたように顔を近付けてくる。
ふわりと良い香りが漂って、
月人はずるずるとその場に座り込んでしまった。
動悸がする。息苦しい。
でも無様な姿を見られたくなくて、月人は顔を逸らした。
「....なんでもない、から..あっち行けって」
「見え透いた嘘つくなっつーの。なんか今日変な力使ったろ」
「は...?使ってないし...」
頭がぼうっとなってきて、月人は彼に助け起こされる形で立ち上がらせられ、ずるずると部屋へと引きずられていった。
力、使ったっけ。いつも通りだったはずだけど。
考えようとしても頭が回らなかった。
「あのなぁ。"食欲抑制"って言っても
全く食わなくて良いわけじゃないんだぞ?
空腹を感じなくなって誤魔化してるだけでちゃんと食わんと死ぬんだからな
何年くらい食ってないんだよ」
「.........覚えてない..」
「バカだろ」
ベッドが置いてある部屋に引きずられて来たが、
結局2人とも力尽きてしまって
月人はベッドに保たれるように体を預けていた。
「......悪かったよ。俺が変に魔法かけ辛くしたから」
皇は月人の頬を撫でながらそんなことを呟くので、
月人はぽかんとその顔を見上げた。
わる、わるかった...?今謝った...?
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