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魔界ヨリノ使者 2
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「帰らない」
「困りますわ」
「俺は困らねーん...だよ!」
皇が叫ぶと同時に、
黒いローブの集団の何名かが突然苦しみ始めた。
膝をついてしまう者もいる中、真ん中にいた人物が何もない空間からピンク色のステッキを取り出す。
「まだそんなもん使ってんのか、ヒヨッコ」
「...っあなたがくれたものですもの!」
さっきから喋っていたのはそのステッキを持った人物だったらしい。
くるくるとステッキを振ると、店の中で風が起こり次第にその威力は増していった。
棚に並ぶ本たちがバサバサと音を立てて床に落ちた。
「相変わらず蛭のよーにしつけー女だな」
呆れたように皇は呟き、片手で空中を切った。
ピタリと一瞬風がやんだが、黒フードの人物は負けじとステッキで空中なぞっていた。
月人のは一体何がなんなのかわからなかったが、
これが上級魔法使いたちの戦いなのかもしれない。
「おのれ...皇...」
「調子に乗りおって」
先程から悶え苦しんでいた他の連中達がぼそぼそと呟きながら両手をこちらに向けてくる。
何かをする気だ。
反射的に皇に駆け寄ろうとしたが、突然体が引っ張られ
月人は黒いローブの集団の一人に捕まってしまっていた。
「この使い魔どうなってもいいのか!?」
耳元で怒鳴られ月人は呆気に取られてしまった。
首元には原始的な人間の武器、
ナイフが当てられさながらドラマのようだった。
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