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魔界ヨリノ使者 8
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「な、なん...なんです....って、なんですってぇぇ!?」
「だから、俺こいつの餌になったの」
「使い魔ではなかったんですの!?」
そう。誠に不本意ながら皇は月人の所有物なのであった。
全くその実感はないが。
魔界や魔女の細かいルールはわからないが、やはり相当なことだったらしく女はフラフラとよろけ慌てて近くにいた魔女達が彼女を支えた。
「皇さまが..皇さまが...餌..!?なんてことなの...」
うわごとのようにぶつぶつと唱え始めた彼女は、
少し哀れだった。
「そういうわけだから、帰ってネー」
皇はにこにこと微笑むとぽんぽんと月人の肩を軽く叩いた。
もう大丈夫だから離せ、というような合図だと悟った月人は彼の足をようやく解放してやる。
なんだかよくわからないが、皇が魔界へ帰っていくことも
何か恐ろしいことをしでかす恐れも薄れた気がしたから。
「ついでに俺のこと忘れる?その方が平和かもよ」
「...っ、イヤですわ!忘れるものですか...っ
皇さま...どうしてわかってくださらないの...!?」
女は泣いているような声で叫んだ。
どうやら彼女は皇に対して特別な感情を抱いているようだった。
しかし皇は、ため息をつきながら片手を前に突き出した。
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