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眠レル魔女 1
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それから皇は死んだように眠っていた。
大人しく眠っていれば大体のものが5割り増しによく見える。
普段うるさいやつだと尚更である。
ただ普段うるさいやつだからこそ静かに目を閉じられているだけだとだんだん不気味に思えてきて殺意すら湧いてくるのだが
額に触れると尋常ではないほど熱を持っていて、
本当に死んでしまうのではないかと恐怖してしまうのだ。
最初は殺してやろうと意気込んでいたくせに、
どうしてこんな気持ちになるのだろう。
これが情ってやつなのだろうか。
魔女の看病のやり方など知るわけもなく、
水で絞ったタオルを額の上に乗せ続ける事を
延々と繰り返し続けながらも
答えのない迷路に嫌気がさして、
涼しげな寝顔にやはり殺意が生まれるのであった。
「ごしゅーさまぁ...」
「...何?飯なら冷蔵庫に入ってるから適当に食べれば」
「いえ、そうじゃなくってえ....」
シロエの声を聞き流しながらも月人は
ちょっとしたおしぼり程度に暖められたタオルを
再び水の入った洗面器に漬け込んだ。
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