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家内捜索 3
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思わず声をあげて泣きそうになった瞬間、
かたりと背後で物音がした。
「....あ?なーにやってんだお前」
気だるそうな声が聞こえ、月人は恐々と振り返った。
ヨレヨレのジャージ姿の皇が、
眼鏡をかけ直しながら眉根を寄せている。
月人が何も言えずその顔を穴が開くほど眺めていると
皇は可笑しそうに噴き出した。
「なんつー顔してんだよ...面白いからやめろ」
生きている。
消えていない。
そのことが脳に伝わった瞬間
月人は飛び上がって彼の両肩を鷲掴んだ。
「お...お前ええええええええああああああああぁっぁああ!!!」
「....うるせえよ..近えし」
「うるせえじゃねえよばかぁぁあぁあ!!!!」
皇は嫌そうに顔を背けたが
月人はわけもわからず泣きじゃくってしまった。
そのいつも通りの平気そうな顔を見ると腹が立つような、心底ホッとするような
わけのわからない感情が滝のように押し寄せてくるのだ。
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