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ワカッテクダサイ 3
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「あっそ。お前さ、解放してやろうか」
皇は腕を組んだまま表情を変えることなく
そう問いかけてくる。
解放?
一体何を解放するというのだろう。
意味がわからず、は?、と口を開けた。
「まあ正確にはお前が解放するんだが..」
「何の話?」
「だから、エサやめてやろうかつってんの」
餌の態度ではなかったが突然の言葉に
月人は思わず風呂場のガラスドアを掴んだ。
普段通りの日常会話に、そんな衝撃の事実を混ぜられ
何も実感もわかないし意味もわからないのだ。
「は?..何言ってんだ」
「なんだよ、嫌がってたじゃねえか。死ぬとかいってさ」
眼鏡の向こうの目は何の表情も感じられず、
何故だかそれがたまらなく怖くて、嫌だった。
確かに無理矢理主人になれだとか言われ
平穏な日常を脅かされ大変遺憾だったし、
最初は出来ることならなるべく関わりたくないと思っていた。
しかし、月人には理解不能であった。
何故?このタイミングで?
月人はガラスドアを掴む力を強めた。
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