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ワカッテクダサイ 4
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呆れたように皇は肩を竦め、
こちらに背を向けて去って行く。
「....っ、待てよ、皇!」
月人は思わず彼を追いかけ、そのジャージの裾を掴んだ。
魔女は不満そうに振り返る。
「やめて、どうすんだ?
魔界に帰りたくないんじゃなかったのか」
「んー..まあ、あの時は緊急だったけど
ちゃんと手順を踏めばどうにでもなるっつうか...」
淡々と話す彼の言葉に気が遠くなるような感覚を覚える。
皇は最初から月人のことを虫ケラ扱いしていた、
所詮その程度なのかもしれない。
だけれど仮にも一緒に暮らして、言葉を交わして
情が湧いて、不本意ながら少しでも、
心が通っているような気がしていたのは事実だった。
それ故にずっとこのままの日々が続いていくのかもしれないと思っていたし
その事に対しどこか安心のような気持ちを抱いていた。
しかし、それはまるで、
もう要らないと言われているようで。
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