アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
世紀末覇者、現ル 1
-
一方廊下に取り残された皇は、
頬をひくつかせながら笑みを浮かべた。
「..誰が、人の気持ちがわからないって...?」
怒りと悲しみが入り混じったドス黒い感情に支配されそうになり、慌てて心の川へと感情を流してなかったことにした。
はぁ、と溜息をこぼしてはその場にしゃがみ込む。
人の気持ちがわからないのは魔女がゆえか?
いや、そうではないと抗いたい。
そんなことはない、
それを証明するためにここへ来たのだ。
しかし、どうしてこう上手くいかないのだろう。
「くそ...どうすりゃいいんだよ..」
自分で蒔いた種とはいえ、危険な目に合わせてしまった。
それは今後もあってはならないことだし、
自分はそもそもさゆりの守りたいものを守られるのであれば
誰に何を言われようが1人になろうが知ったことではなかった。
なかったのに..。
文句を言いながらも、自分は喰えない飯を作ったり
部屋の掃除をしたり、泣いたりする
そんな姿が思い浮かんで、皇はぐしゃぐしゃと頭を掻いた。
傷付けたくないのに。
どうすればいいのかがわからない。
あんな風に怒らせたかった訳じゃないのに。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
96 / 158