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【い、異世界トリップ!?】
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「……ここは一体どこなんだ……。」
足元の草と、空しかない不思議な空間で、俺は一人呟いた。
ーーたしか俺は酷く泥酔して…雪の中で…
(あぁ、そうだ!雪の中そのまま寝てしまったんだ!……じゃあここは一体どこなんだ?)
ーーー天国。
その二文字が頭の中を過ぎる。
(まさか、そんな……まだ22歳なのに…)
普段飲まないし、対してお酒強くもないから…。
(夢だ、そう。ここは夢なんだ。)
だけど、足からは"床"と無理矢理に認識させられているような、しっかりとした触感がある。
(……本当に、死んだ?)
酷い絶望感に襲われた。
(なんていう事だ。ただ、会社で失敗して怒られただけなのに、それだけで俺は死んで……。
……馬鹿だろ…。)
自分の間抜けさが苛立ちと悲しみとともにこみ上げてくる。
寝っ転がって、どこか程遠く感じる薄い色の空を見る。
草が慰めるように頬を撫でる。
ーー誰かの気配がした。
飛び起きて周りを見るが、誰もいない。
(あれ、今確かに……)
『お見事です、英雄様。』
「へ、あ、うわぁっ!!」
(め、目の前に、目の前に浮いた人が……っ)
誰もいなかったはずなのに、そこには緑と白を基準とした神々しい服を着た女性がいた。
『流石、英雄様です。私の気配が読み取れるとは!』
「は?英雄?俺が?」
『そうです。
私はシヴァルテという星の女神をしています。フェリア・リ・メントと言います。』
彼女はフェリアと名乗った。そして女神とも言った。
……女神?
なんかよく分からないが、この上ない不審者ということだけは、馬鹿な俺にも理解出来た。
『そ、そんなに警戒しないでください……。本当なんですよ。』
「……女神と言われましても……。……それより、俺なんかに用があるんですか。」
『俺なんかじゃないですよ!あなたは英雄様なのですから!
そうですね。用事があってあなたをここに呼びました。』
「え?……ここは天国じゃないのか…?」
『違いますよ。ただの一時的な空間です。現実のあなたは雪の中で寝てますね。大丈夫です。あなたを見つけた人が、助けてくれます。
ですが、あなたにお願いしたいことがあります。そのお願いを叶えてくれたら、元の世界に戻します。』
「も、戻れるのか!」
『当たり前です。こちらが勝手にあなたを呼び出したのですから。』
「でも、そのお願いとやらは絶対に飲むと?」
『……すみません。そうでもしないと断れるかと……』
(そ、そんなにやばいお願いなのか……?)
フェリアの顔は、心做しか切なげに見えた。
(これは受けるべきか……。)
そもそも受けないと元の世界には帰れないんだから、それ以外は無いはずだ。
「…わかりました。それで、やることって?」
『まず説明からしましょう。シヴァルテについて、シヴァルテの現状について……そして、もう1人の英雄様についてもお伝えしなければなりません。
場所を変えてましょう。
私の家に来てください。この空間は長く保てませんから。
あ、お名前教えていただいても?』
「間宮 凛です。」
『ありがとうございます。
私の手に触れてください。
……行きますよ。ーー次元移動!』
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