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おひるごはん
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あれから梓月はよく俺に絡むようになった。大学でも、少し遠くにいても駆け寄ってくるのでさながら忠犬か何かのようで、友人にも「藍堂のペットがこっち見てんぞw行ってやれよw」などと茶化される始末である。
そして梓月は俺の家も把握している。全くもって家を教えた覚えはないのだが...。なんだかきな臭い、犯罪の匂いがする...。
とりあえず梓月が俺になんらかの執着を持っていることは白痴の事実だった。
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日差しが眩しい国公立鴨居川大学
もう寒さもだいぶ和らぎ、ストライプのワイシャツに薄手のニットと、黒のスキニーという出で立ちで外をでてもさほど寒気は感じなくなっていた。
今日は必修の講義もすべて終わり、友人と大学内のレストランに向かっている。
「あ」
中央階段を後にし、中庭を通り抜けていくとレストラン"colazione"(コラツィオーネ)があるが、なんと今日は休業だったようだ。
ちなみにcolazioneは本格イタリアンのお店で、料理の値段こそピンキリだが、学生でも余裕の持てるリーズナブルなランチと、その味で人気のレストランだ。
看板メニューは"魚介の旨味香るたっぷりトマトのパスタ"
店の両開きオープンドアのフック部分にははっきりと"close"の文字盤。
くそ...あそこの絶品トマトパスタが食べられると思ったのに。
「うっわ。閉まってるわ〜。残念だったな、藍堂」
共に来ていた友人の藤崎(ふじさき)がそれほど残念でもなさそうに言った。そんなん見りゃわかるわ藤崎...。
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