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おひるごはん2
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くっそーぅ。どうする。大学を出てすぐに す◯家があるが、今更牛丼かぁ...。トマトパスタの気分だったのに〜。
「...惠?」
「え」
colazioneの看板をじっとり睨みつけながらあれこれ思案していると、後ろから声をかけられた。今の俺は不機嫌マックスだよ、誰だまったく。
バッと苛つき気味に振り返るとそこには
作り物のように美しい顔、俺より10㎝は高いであろう背丈。
「......梓月」
「久しぶり。最近見ないから心配してたんだ。」
何を言ってんだこいつは、ほぼ毎日会ってるだろ。実際俺は逃げ回っている節もあるが、やつはどういうわけだかすぐに俺を見つける。
「......一昨日(おととい)あっただろ。」
「そうだっけ?...でも毎日会わないと心配だよ。」
なんなのお母さんなの。
隣の藤崎はというといきなりの梓月の登場にテンションが上がっているようだった。
「おーw藍堂のゴールデンレトリバーじゃんw」
「.....はじめまして、梶原 梓月です。」
ニコリと綺麗な唇に弧を描き、梓月が言った。
ゴールデンレトリバーはスルーされたが、俺も一瞬考えて似てるかも...とか思っちまった。
それにしても
むかしはこんなことできるタイプじゃなかったよなこいつ。初対面のやつとなんかビビって話なんかできなかったしな。
「俺、藤崎っす!よろしく!やっぱかっこいいね〜」
「そんなことないですよ。...藤崎さんは惠とどんな関係なんですか?」
「どんな...ってぇーと...」
藤崎が眉を寄せて混乱している。無理もない。
友達でなければなんなのか。異母兄弟か?師匠とか?
「友達に決まってるだろ。」
たまらず梓月に提言した。
「そうかな?」
決まってはないんじゃない?と奴が首をあざとく傾げた。
「...俺たち行くから」
もう付き合ってられん。後ろで藤崎がえーーとか言っているが気にせず足を踏み出す。
ーーーピロロロロピロロロローーーー。
足を止める。空気を読まないこの着信。俺のじゃない。藤崎のケータイか。
あたりだったようでポケットを早々とさぐりはじめた藤崎は規則的な着信音をすぐに止めるべく、慌てもしない様子で電話に出た。
「はーい。もしも〜し。 え? ふーん。おっけ!行く行く!!」
バカみたいに間延びした声で電話に出た藤崎は何かを了承し、そちらへ向かうという伝言を残し電話を切った。
「あのさー...。藍堂、俺今から彼女んとこ行かなきゃいけないんだわー。すまんね〜w」
「お前...もういい行け」
「それじゃお言葉に甘えて、バイバーイ!!」
藤崎は言い切らないうちに走り出し、あっという間にその姿を肉眼で捉えられないほど遠くへ走り去ってしまった。
おめぇ俺と飯食う約束してたろ。言ってもしょうがねーか。彼女命な奴だしな。
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