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キャベツチャーハンと俺とあいつ2
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「ふふ...ごめん。張り切って作りすぎちゃったかも」
梓月は恥ずかしそうに笑いながら、並べた皿々を整えた。
「いや、すげーよお前これ。」
メインは真ん中のキャベツチャーハンだろうな。
その隣には玉子スープ(わかめ入り)これがすごくいい匂いを立てている。そして肉とやさいの小鉢だ。七味を隣に置いてあるとことかセンスがいいな。
そのほかにもカレイの煮付けがあったり、唐揚げが並んだり...。
目を見張って言葉を失う。
「あー。ここら辺のは昨日の残りだから、あんまり時間はかかんなかったよ。」
昨日って...こんなん毎日作ってんのか。
男らしく気遣ったりとか、かと思えばめっちゃ家庭的とか...なんだよ。なんだよ。
「なんだよお前...いい嫁になれんじゃん」
口からはそんな言葉が漏れていた。女扱いされた皮肉も込めてはいたが、本心だ。
「そうかな...ふふ。....でもできれば旦那さんがいいかなぁ...」
いやーまじ良くできてんなー。店ででてもいいレベルじゃんまじで。まさかあの梓月がこんな完璧超人になっていようとは...。
ーーーーぎゅうぅるるぅーー
突然広い座敷に腹の音が響き渡る。
俺の。
「ふふ...ほんとにお腹減ってたんだね」
なんだか恥ずかしくてコクリと頷く。
「さぁ、いっぱい食べて?惠。」
ゴクリ。
もう我慢などできはしない。
「いただきます。」
しかし1人の人間として生きていた、そして死に、今から俺のエネルギーとなる命たちに感謝しなければなるまい。
「どうぞ〜」
お前には言ってない。けして。
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