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目覚め
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とりあえずもうここに居たくはない。梓月のこの家で辱めを受けるなどもうごめんだった。
できるだけ遠くへ行きたい気分だった。
ベッドのサイドに足をかけなんとか床へ足をつけたその時、コンコンと規則的な音が響いた。
「...っ」
条件反射で体が跳ねる。
ーーーーーガチャ
否応無しに引かれたドアから現れたのは
「梓月...っ」
ここにいるのなんて俺と彼の2人くらいのものだ。わかっている。
しかし顔を見てしまうと一気に色々なものが押し寄せてきた。彼に侵された記憶、めり込む感触。そのすべてにどうしようもない喪失感と吐きそうなほどの罪悪感が湧いて出る。
子供だった頃の俺たちには分かりもしないだろう感覚で、あの頃の梓月だってこんなことを望んでいたわけではないだろうにと。
「大丈夫?...辛いよね。寝てて?」
当の本人は俺が考えていることなんてどこ吹く風で。
「......」
「あんまり痛いようなら、鎮痛剤と...」
無言で奴を睨みつける。それでも心底愉快そうに綺麗すぎる笑顔で近づいてくる奴を「近づくな」と一瞥した。
どんなことをしでかしたのか。こいつは分かっているのか。無理やりに人の体を暴いておいて。
「...言っとくがお前のごっこ遊びなんぞに付き合ってやるつもりはない。」
これはまごうことなき本心だった。
恋人なんてのはこんな冷たいもんじゃない。そうだろ?
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