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其の三
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そして16になった日の夜、僕はうなじの噛み跡と共に、鷹仁様の精をこの身に貰い受け、約束の通り十月後に無事、αの男の子を産むことができました。
しかし僕は、その子を生んでから一度も、息子を一目見ることもこの腕に抱くことも、もちろん乳を与えることも叶わず、しきたりですと取り上げられ、育てられ、先代様と呼ばれながら、徹底的に毒味された冷めた食事と生活管理のもと、屋敷の離れにずっと一人、暮らしているのでございます。
僕は鷹仁様を御慕い申し上げておりましたし、今も尚、御慕い申し上げております。
しかし、鷹仁様は僕を、やはりただの腹としか見ていなかったので御座いましょう。
なにしろ、息子を産み落とした夜の、たった一言の「よくやった」以来、一度もお姿をお見せにはならないのですから。
あれから…幾つの季節が過ぎたでしょうか。
離れの縁側から眺める庭の景色だけが、僕に時間の流れを教えてくれるので御座います。
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