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其の五
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「ああ…辛い…この世なんて」
鷹仁様と二度とお会いできない、この世なんて。
鷹仁様と、対等に…いいえ、そこまでの贅沢は申しません。
せめて自由に、鷹仁様をこの目に映すことのできる身分であったら…腹のΩではなく、使用人のβであったなら…どんなにそう願っても、所詮は叶わぬこと。
僕は、鷹仁様と一度通じ、御子を産むことができただけで、幸せなのです。
ああ、だけど。だけれども。
「死んだら…幸せにはなれずとも、この苦しみからは逃れられるでしょうか」
部屋の隅に使用人が控えていることも忘れて、僕は1人になって初めて、そんなことを独りごちたのです。
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