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其の什六
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そして辿り着いた葵の部屋で、鷹仁は使用人に持って来させたぬるま湯で葵の足を洗う。
本来葵が鷹仁に足を洗わせるなど、あってはならないことだがこの空間で唯一それを止められる葵が混乱状態では、どうしようもない。
「嗚呼…、足の裏が傷ついてしまったな。痛くはないか?」
「いや、鷹仁さま…、鷹仁さま…」
「あんな雪の中にこんな薄着で…熱がぶり返したらどうする」
「たかひとさま、」
「お前は一度倒れると長いのだから、しっかり治さないとな。誰に似たのか朱雀もよく熱を出す。一緒に暮らしたら、お前がきちんと健康管理をしてやれ」
「……ぇ、」
ようやく反応を示した葵に、ちょうど足を拭き終えた鷹仁が、よく聴けと真剣に話し出す。
「本当は、もっと早くやってやりたかった。お前は息子を抱くことも顔を見ることも叶わず、ましてや名も知らず、ずっとこんなところに独りだった。すまなかった」
頭を深く下げた鷹仁に、ハッとした葵がワタワタと慌て出す。
「そんな!頭を上げてください!!それはしきたりで…「しきたりなんて、壊してしまえ」…え?」
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