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閨-壱
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「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
「……………葵」
「はっ、はい!」
「頼むから、そんなに固まらないでくれ」
固まらないでくれ、と仰られましても……。
鷹仁様と僕の寝室での、初めての夜。
さすが御当主の寝室とばかりに品良く豪奢な和室には、ふかふかの大きなお布団が一組。
最後に鷹仁様と布団を共にしたのは5…もう6年前でしょうか。
僕が16になった夜に、最初で最後、鷹仁様と繋がった日のことです。
あ…いいえ、そういえば2ヶ月前のあの騒動の夜には、ひたすら啼かされてしまいましたか。
しかし、それこそ幼かった頃は、雷や悪夢が怖くて深夜に鷹仁様のお部屋にお邪魔したこともありましたが、今となってはどうしたら良いのやら…。
以前は鷹仁様と交わるため、お見苦しくない身体であろうとしておりましたが、あの夜は流れでそうなってしまったものの、最近のこんな…貧相な身体を鷹仁様にお見せするわけには参りません。
鷹仁様は早々にお布団に入ってしまわれましたが、僕はその隅に正座したままで、とても動くなんてできません…。
「…葵」
一度はお布団に入られた鷹仁様が、わざわざそこから出て僕のそばにいらっしゃいました。
「葵、何をそんなに緊張することがある」
「ぁ、いえ、その…」
「何も気にしなくて良い。ただ、これからは夫婦として、普通にお前と過ごしたい。共に休み、食事をとり、子を育てたい。今夜共に眠ることは、ただそれの一部に過ぎない。
なにもあの時のように子を成すためだけに交わろうと言っているのではない。俺はお前と同じ時を過ごしたいだけだ」
「鷹仁様…」
「まぁ、本音を言えばお前を抱きたいと思ってはいるが…無理を強いるつもりもないし、いつか、な」
そう苦笑された鷹仁様に、なんだか全ての不安が吹き飛んでしまった僕が、うっかり飛び込んでしまって。
「鷹仁様っ」
「っ、おい、大丈夫か?」
「はいっ…、っ」
しっかりと受け止めてくださった鷹仁様に口付けられたまま、お布団に倒れこんだのでした。
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