アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
愛しい番よ幸せに-捌
-
明日より母と暮らすことになる。
今夜離れに迎えに行き、明日会わせるから。
それまで大人しくしていなさい。
そう伝えた時、息子はその黒い瞳をまん丸に開いて驚いていた。
そんなに母と暮らせることが驚きなのか?
喜んだりはしないのか、と問えば。
いえ、とうさまがわらっておいでなので、おどろいて。
無意識だった。
つい、頰に手を当てて確認までしてしまった。
嗚呼、俺はまだ笑えたのか。
葵。お前の為なら俺は、鬼の仮面を被ることも厭わない。
誰に罵られようと、恨まれようと、憎まれようと、構わない。
だが葵。
俺がどんな化け物になろうと、お前だけは。
お前だけは、俺に微笑みかけてくれるよな。
そうしたら俺は。
お前の前でなら、息が吸えるから。
頰を緩めることができるから。
それだけで俺は。
この世界の誰よりも幸せだと、確信できるから。
「俺の唯一。俺の葵」
待っていろ。
この世界の総てから、俺がお前を守るから。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
42 / 47