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第40話記念ストーリー 前編
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「おー!君が濱名洋二郎クン??俺、嶋川一希!みんなからシマって呼ばれてるから濱名君もシマって呼んで!」
あ、タイプかも。
「…おー、よろしくな、シマ」
自分が男女両方イケる質だと知ったのはおそらく中学3年の時だったと思う。
受験という親からのプレッシャーと、周りからの期待に塗れた時期に何をトチ狂ったか、同じクラスの割と顔の良いモテ男が俺に告白をしてきた。
思春期の男子として、それなりに「あー、この女の子のおっぱい触りたいなー」とか「あの女の子の肌スベスベそうだなー触れたいなぁー」なんて感情を抱いたりすることもあったし、女の子と付き合ったりしたことも普通にあった。
が、俺もこの時、そいつに告白されて何故か二返事で了承。
当時、脱童貞を果たしていた俺は別に突っ込むことに執着はなく、むしろケツにチンコを突っ込まれるってどんな感じなんだろという興味本位から脱童貞だけでなく非処女までを果たすことに。
しばらくすると、気付けばそいつの隣には同じ高校を受ける予定だという他校の可愛い女の子がいて、俺とは自然消滅、という形になった。
まぁ、いいや。
そろそろ掘られるの飽きてたし。
そんな考えの元、高校は共学のその辺にあるボチボチの進学校に入り、告白されれば男女問わず付き合い、適当にヤッて適当に別れた。
進路は、こんな変わった俺がより、すんなりとけ込めるようなゲイやレズが多いという美容関係の仕事にしようと決め、特に知識や技術がなかった俺は地元の美容専門学校に入った。
すると段々、スタイリングに興味を持ち始め、夢中になっていると学校から成績優秀者として推薦を勧められた。
勧められた店は色々な所があったが一番綺麗で目に付いたオーナーがいるonlyに推薦枠で入社し、今に至る、という理由だ。
入社してからまもなくして、すぐにわかったのはあの店長にもう相手がいた、ということで、俺にとってはかなり残念だった。
あの人なら掘るのも掘られるのもいいなーなんて思っていた矢先のことだったし、正直周りの従業員は、好みの顔ではなかったし、飛び抜けて輝きを放っていた店長には魅力があったのに。
まぁ、店長の相手もそれなりに可愛い容姿のクセしてツンツンしているという完璧受け要素を持った男の子で、それを見てるだけでもいっかとも思っていた。
そんな時。
この業界でも割と珍しい短め赤毛に、大きい黒目をパチパチとさせ、ぶち犯したくなるような顔をした、嶋川一希が目の前に現れた。
えー、なにコイツ。
シマって呼んで!とかメッッッチャ可愛いじゃん。
なんで俺コイツの存在に今まで気づかなかったんだろー、俺の目節穴すぎるわ。
顔面には笑顔を貼り付けておきながらそんなことを考えているとシマは少し首を傾け、頬をかじりながら「挨拶遅れてごめんなー」と小さく笑った。
「いや、全然気にしなくていいよ、俺もシマのこと今初めて認識したし」
あ、ヤベ。口滑った。
傷つけたかな。
ちらりと様子を伺うようにしてシマな方に目をやるとシマは「あー」と目を泳がせ、ため息をついた。
「彼女に「いつまであたしの家に入り浸るつもり?早く稼いでどうにかしなさいよ、このヒモ野郎!」とか言われて殴られちゃって…。しばらく病院にいたんだよ俺」
「病院に行くほどの殴りかませる女の子ってマンガの中だけじゃなかったんだ」
クソ、またポロった。
今のもろ、悪口っぽかったよな。
流石にやばいか。
「あー…ごめん、今のは」
「ははははっ!本当だよな、俺の彼女、マジやべぇのよ。でも俺、実際金ないし、ヒモだしな〜。ま、殴られて当然か。」
めっちゃ面白いのな濱名君って。そう言いながらシマは肩を揺らしゲラゲラと笑った。
嶋川一希。
ノンケの彼女持ちかー。
うん、決めた。
コイツ、俺のにしよ。
「…そんなことないって。そうだ、俺の事は洋二郎って呼んでよ」
こういうのは順をふまないとね。
あぁ、もう想像するだけでやばい。
チョー楽しみ。
おー!よろしくな!といって差し出されたシマの右手を緩む口元を必死に隠しながら俺は強く握った。
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