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第49話
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あれから1週間、2週間と時が経っても、やっぱり大雅が会いにいることはなく、代わりに蓮さんが毎日毎日会いに来てくれた。
蓮さんは、俺の代わりにonlyへ出勤するにあたって、長坂店長や雪ちゃん、シマさん、ジロちゃん先輩、それ以外の従業員とも仲良くなったらしく病室に訪れては、「曙ちゃんってさ、肌めっちゃ白くない〜?チューブ剤とかわんないぐらい!雪君は、目がモンスターズインクのマイクみたい、あ、デカさがね?」とヘラヘラ笑ったり、「洋二郎君と一希君、ありゃ出来てるわ、うん」と、感慨深そうに頷いたりしていたが、バディであるはずの大雅の話は一切しなかった。
でも、それを突っ込むのは失礼な気がしたし、それを突っ込むことで、蓮さんにどう思われるかが怖かった。
いよいよ明日で退院するというのにこれからが不安でしょうがない。
まず店の人には今まですみませんでした、ってしっかり謝って…、大雅には…
大雅には…会えるのかな。
いや、それは会えるよな、そりゃ同じ職場だし、バディだし…。
でも会えたとして話してくれるのか?
不安に押しつぶされ目を瞑りながら布団を被っていると、急に勢いよく剥ぎ取られ、固く瞑っていた瞼をあけると、右頬に歪な白い布を貼り、右目上を大きく赤に腫らした蓮さんが、こちらを見下ろしていた。
「れ…蓮さん!それどうしたんですか!?」
よくよく見ると左側も何がはられている訳では無いが赤黒く腫れ上がっているし、口の端も切れている。
蓮は真尋のこえが聞こえているんだかいないだかわからない様子でゆらゆらと顔を近づけると、そのままベッドに押し倒した。
「蓮さんっ、蓮さんってば!」
「まひろにゃん、やっぱ本当に俺にしなよ。てか、してよ。」
蓮は所々切れた指先に唾液を絡ませ、真尋の首筋をなぞると、そのままズボンに手をかけた。
「えっ…ちょ、まってやだっ!!やめて!」
声を張り上げる真尋を無視し、蓮は真尋の後孔に指を入れ、ぐちゅぐちゅと卑猥な水音を出し、挿入を繰り返す。
やだやだと手足を動かすも、蓮の力は想像以上に強くビクともしないうえに、ぎゃあぎゃあと喚いていた口も蓮の口によって塞がれた。
あとはひたすら喘ぐ声とくぐもった声を出すことしか出来ず、目の前にいるのが本当に蓮さんなのかわからないぐらいの恐怖を感じて体が震える。
「んぅ…ちゅっ…あっ…はっ…やだ…こんなっの…こんなのっ…アイツらと…同じっ…ひっくぅ…っふっ…う…」
やっと唇を離され、泣き声と喘ぎ声がまざったような声で、そう言うと蓮さんは、ハッと目を見開き、己の左頬を思いっきり殴った。
「っててて…ごめんね、まひろにゃん、俺あいつらと同じ最低なことした。」
跨っていた真尋から退くと、蓮さんはすこし顔を歪ませながらゆっくり近くの椅子に腰を掛けた。
「もー、本当にごめんね。ごめんなさい。嫌なこと思い出させるようなことしちゃった。…言い訳にしか聞こえないかもしれないけど少しきいて。」
押し倒されたままだった体を起こし、こくりと頷くと蓮さんはありがとうと小さく呟いた。
「俺、大雅君を怒らせた。」
「…え?」
「前々からね、少し思うことがあってね。今日俺がonlyに出勤する最後の日だったからさ。色々本人と話してみたわけ。まぁ、話したっていうか主に俺が話してただけなんだけど。そしたらぶん殴られてこの通り。でもやられっぱなしだった訳じゃないから多分向こうも同じような感じ。」
「色々、って、なんですか?」
「…泣かない?」
「え?」
「泣かないって約束するなら言ってあげる。もし破ったら、まひろにゃんのことを抱く。」
「……っ、泣かないです。」
「まひろにゃんが倒れてたのは事実だけど、その前にまひろにゃんがレイプされてて、それを俺は見てたけど、助けなかった、って言った」
「…え?え、それ、嘘ですよね?」
「俺、実はさ、好きな人が誰かにヤラてるのみるの大っ好きなんだよね、だからまひろにゃんを助けなかったの。ごめんね?」
「うそ、だ、そんなの、」
「嘘じゃないよ、まひろにゃん〜。そしたら大雅君が殴ってきたから、まひろにゃんのことお見舞いにも来ない薄情野郎になんで殴られなきゃならないんだってこっちも殴って。そしたらお前に何がわかるんだって更に殴り返されたから、分かんないけどそれでまひろにゃんを泣かせてたら意味無いだろってやり返したら、どっか行っちゃった。意味わかんないよねぇ〜」
「ちょっ、と待ってください、蓮さんは俺を助けてくれて」
「だって、あんなに血相変えてたらそりゃ助けるでしょ、もし喘いで泣いてるだけだったらそのまま見てるよ」
「本当に、言ってるんですかっ…」
「うん、ホントだよ〜」
その返事を聞く手前で既に手は出てたと思う。
パンッッと痛々しい音が響き渡り、しぃんとした空気があたりを包む。
「…泣かないね、まひろにゃん。」
「泣かないです…っ、絶対に。ですから出てってください…もうあなたの事なんて見たくもないですっ……!」
「わかった。じゃ、お大事にね」
少し足を引きずりながら背中を向けた蓮を見て、溢れでた涙を袖でゴシゴシと拭いたが、蓮が病室からいなくなった頃にはもう既に涙がボロボロと流れて、流れて、止まらなくなっていた。
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