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あるお昼の話。(kyhr)
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窓からの陽射しが心地良い平和で平凡な時を過ごしていた、そんな空気を断ち切るようにサラリと発せられた一言。
「キヨ、ハグしよう 」
「…………は?」
今日は休日で特にやることも無かったので、実況の撮影がてらダラダラしようということで集まった。
俺らのグループは全員で四人いる。
今この場にいるのは俺、キヨともう一人、先ほど意味不明なことを口走ったヒラの二人だけ。
残りの二人は遅刻。
「え、なになに、なんで...?いや、そんないつでもこい!みたいな感じで手広げられても困るんですけど......そんな期待した目でこっちを見るな!!」
「もー手が疲れてきた!早く!!」
と言いヒラは不満を口にしながら、前に突き出した手をブンブン降っている。いや、なんで俺が怒られてんの?
「疲れたならおろせや!!ちょ、待って、マジでなんで急に?」
「えぇー? あのね、気づいたんだよおれ。ハグってすごいことに!!外に出るとさ、周り他人ばっかでしょ?でもね、そんな人の中に困ってる人とかが結構いるの。その人に声をかけて、解決した時にお礼言ってくれるじゃん?その時に一緒にハグもするんだよ!それだけでもうその人は他人じゃないんだよ!もう友達なんだよ!すごくない?!」
「なっが!!え、いやそれ海外とかの話だよね?日本でしたら引かれるレベルだよね??」
「あとね、悲しいことがあったり、つらいことがあったときも誰かにハグされると気持ちがふわってなるでしょ?すごくない!?!?」
「なったとしても成人した男二人がやる事じゃないよね!?」
「いいじゃんやっても!!」
「きもちわりぃわ!!」
「きもちわるくないよ!キヨのケチ!!」
なんで俺がキレられてんの!?
「この前フジはしてくれたもん!!こーすけも!」
フジ!?こーすけ!?アイツら何やってんの!?やっぱりアイツらはあっち系だったのか……
「ってそれこの前飲みに行った時の話じゃん。あん時はお前もフジもかなり酔ってたしあれは別だ!……こーすけは知らねぇけど...」
「うっ……は、ハグなんて挨拶みたいなもんだし!!もういいからハグだぁあああ!!」
「うわぁあああ!?」
ヒラが叫ぶと同時に飛びついてくる。
はぁ...何かもうめんどくさくなって来た...
男同士のハグなんて誰の需要もないしむさくるしいだけだけど、まぁ1回くらいは許してやろう。
とりあえずヒラの背中に腕を回し、ポンポンとたたいてやる。腕の中にいるヒラが少しピクっと動いた。
数秒。
「……えっ、長くね?いつまでやってんの?」
そして沈黙。
すると急にズシッと重みを感じ壁にもたれかかる。何が起きた?
「うぉっ!...……ラーヒー?え、嘘だろ、お前寝てる?おーい」
ペチペチと頬を数回叩いてみる。何かがおかしい。頬がほんのり熱い。もしかして...と思い額に手を当てる。めっちゃ熱い。
「コイツ...体調崩した時もこうなんのか……」
俺にもたれかかっていたヒラの肩に手をかけ、もう一方の手を両膝の裏に入れ、立ち上がり持ち上げる。
横抱きの体制でとりあえずソファまで移動し、寝かせる。
えっと...何か掛けるもの......
あ...ヒラの頭の下敷きになってる……
ヒラの首の後ろに手をかけゆっくりと持ち上げ、少し前のめりになりつつゆっくりとブランケットを抜き出す。
ガチャ
「おーっす、ごめ、遅れちゃった✩……あ」
「あ、こーすけ、てめぇ俺にはグチグチ言うくせに自分が遅刻してんじゃねぇかよ...ってなんで突っ立ってんの?」
「 ごめぇん、遅れた〜、もうみんな来てる?...こーちゃん何見てる......えっ」
何でこいつら「見ちゃった✩」って顔してんの?その顔クソみてぇにムカつく。
「あ、あ〜、ごめん、邪魔しちゃった?」
「俺たちは空気読む男だからな、ごゆっくり〜、フジ、行くぞ」
は?は??何言ってんの?いや、実況取るために集まったんだよな?何帰ろうとしてんの?いやフジ、おう!じゃねぇんだよ、いい返事!でもねぇんだこーすけ。
「ちょ、お前ら待て!!」
俺が少し声を荒らげたせいか、ヒラがピクりと動きゆっくりとまぶたを開けた。
「ん......なに...うるさ......」
「あ、ラーヒーおきた?もうコイツら意味わかんねぇんだわ」
寝起きだった為、虚ろだった瞼がカッと開かれ、だんだん顔が赤く染まってゆく。
やっぱ熱もあるっぽいし、コイツ風邪だな。
大丈夫か、と声をかけようとした瞬間頬に衝撃が与えられた。
「キ、キヨの変態!!!!」
え?何で俺殴られたの?
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