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Actー3
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それから俺はハンドルネーム『光』の女装コスプレイヤーとして活動を始めた。なぜ女装ばかり?と思うかもしれないが、由梨が持ってくるのは女の子の衣装だけだったし、俺も男装よりは女装をしたかったのだ。
自分じゃない誰かになりたい。できれば、とびっきり可愛い女の子に。そう、あいつが惚れるくらいの。
幸か不幸か俺の体型や顔立ちは女装に向いていて、由梨直伝のメイクやウィッグ作りのおかげもあり、『光』の名前はネットのオタク界隈で知られるようになっていった。
曰く、本当の女の子みたいに可愛い。
曰く、キャラクターの再現度が高い。
曰く、プライベートが謎すぎる……などなど。
プライベートを極力出さないようにしていたのは、万が一にでも母の実家に知られないためだ。家族でも俺が女装コスプレしているのは由梨しか知らない。
加えて、俺は短かった地毛を伸ばし、肩につくくらいまで届かせた。前髪も長くし、顔の半分以上が隠れるように。そして、黒縁の眼鏡をかける。そうすると、女装コスプレをしている『光』の面影は完全に消えて、ただの冴えない男にしか見えなくなる。
同人誌即売会やコスプレイベントに行くと『とてつもなく可愛い男の娘』としてもてはやされるのに、素顔の自分になると漫画のモブのように誰も見向きもしなくなる。そのギャップがやみつきになり、元の理由も忘れて俺はコスプレにどんどんハマっていった。
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