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いつだって。4
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今日もやっぱり僕が一番になれることはなかった。
蒼はあのまま通の日直に付き添って行ってしまい、
お昼休みも通くんが仕事あるからってついていってしまった。
わかっていたけど結構辛い。
今付き合っているのは僕だけど、好きなのは通くん
僕って蒼にとって何になるのかな
形だけの友達?
それとも二人の仲を引き裂く邪魔者だろうか。
……だめだ。悪いほうには考えない。
少しでも、通くんの次でいいから好きになってもらうんだ。
僕は鞄から映画のチケットを2枚出して、
寮の部屋でも練習した言葉を呟いてみる。
「映画のチケット貰ったんだけど、
今週の土曜日一緒に見に行かない?」
嘘です。
前から誘おうと思って前売り券を買っていました。
でも何となく恥ずかしくて、嘘をつくくらいでしか
きっと上手に誘えない。
!二人が戻ってきた!!
「秋くんお待たせ!
あれっ。食べないで待ってたの?」
「うん。」
「あちゃ~。ごめんね~。時間かかるかもって思っ
て僕達向こうで食べちゃった……。」
「あ……そうなの……気にしないで!
今から食べようと思ってたから!」
「ほんとにごめんね~
秋くんが食べてる間も僕達ここにいるから!」
別に大丈夫なのに。
わざわざ二人の仲いい会話聞かなくたって
僕はちゃんとわかってるつもりだよ。
蒼は通くんが好きだって。
……こんな意地の悪いことばかり考えるなんて
僕は最低だ。こんなだから好きにはなってもらえなかったんだっていいかげん学習するべきなのに。
僕のものじゃないのに嫉妬なんてみっともないな。
結局お昼休みが終わるまで蒼と通くんは僕の知らない話で盛り上がって適当に相槌をうっていた僕は
お弁当の味なんてわからなかった。
ただ頭の中で、いつ蒼を映画に誘えばいいのかを考えていた。
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