アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
いつまでも。8
-
学校寮に入ることになって、俺たち3人は寮に入った。
俺と通は同じ階、秋は俺達のひとつした。
入るときに3人同じ階は無理だと知っていたから、それなら俺だけ下の階になろうかと思っていた。
「僕、下の階でもいい?」
秋から初めて言われた意見が、これだった。
今まで一度だって自分の意思より俺達の意思を優先していた秋が。
「ふたり、一緒の方がいいでしょ?」
………ああ、これも、秋の意思じゃないんだ。
「いや、それなら「ほんと!?じゃおねがーい!」
俺が言う前に、通が秋の意見に同意してしまった。
「うん。」
高校に上がってから、通の秋に対する態度が前と変わってしまったように思える。
通の方が秋よりも優位に立っているような、そんな態度。
「………通、なんか秋に対して態度悪くないか?」
「え?そんなことないよ?
秋くんって優しいからさ~僕甘えちゃってるのか
も~。気を付ける~。」
「そっか。」
うん、秋は優しい。
優しくて、可愛くて。
大切なのは、変わらないのに。
笑顔すら見られなくなった。
そうさせているのは俺なのに。
:::::::::::::::::::
「蒼!もう部活決めた?」
「ん~やっぱバスケかな。中学もしてたし。
通は?やっぱ陸上?」
「うん!そしたらさ、帰り一緒の帰ろうね!」
「時間被るって先輩たち言ってたもんな。」
中学の時入部したバスケ部。
最初はサッカーに興味があったから、サッカー部に入ろうかと考えていたけれど、
「バスケって、かっこいいね!
僕背が低いからすぐマークされちゃうけど、
バスケできるのって憧れだよね!」
秋が、そう言ったから。
翌日にはすぐに入部届けを出して、
「蒼、バスケ部入るの?すごい!
僕部活は入らないことにしたから、休みの日は
試合の応援に行けるね!楽しみ!」
秋の笑顔を見て、
ああ、頑張ろうって思ったんだ。
高校もバスケしたら、秋、応援来てくれるかな。
なんて、期待してたりして。
少なくとも、今の距離じゃだめだろう。
でも今更だ。
どうして秋といると回りの目が気になるのか。
どうして通といると安全だと思えるのか。
::::::::::::::::::::
秋と、もとの距離に戻りたい。
いや、もっともっと近づいて。
特別になりたい。
もう、中学のやつはいないんだから。
これ以上秋から離れる必要はないはずだ。
これからも、幼馴染として、ずっとそばに。
そう、思い始めたとき。
「蒼、好き………僕、蒼が好き………」
秋が、俺に告白した。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
63 / 122