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文化祭 18
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それからとうもの、
さっきの僕から城田くんへのほっぺちゅーを見たお客さんがどんどん過激な注文をしてくる。
城田くんの膝にのって~っとか、なんでそんな事注文するの!?
あんまりにもできないのはできませんって言ったけど、それでも恥ずかしい。
城田くんも嫌だと思うし……。
………正直言うと僕は嫌じゃない。
近いとドキドキするし、ちょっと落ち着かない。
気持ち悪いとか、城田くんが思ってたら嫌だな。
あ、城田くんに彼女とかいたら、これって総統不味いことなんじゃないかな。
城田くんが浮気とか思われちゃうかな。
でも僕は楽しい。
今まで蒼と通くんとしか一緒にいたことなんてなかったからかも。
でも一番の理由は、
一緒にいるのが城田くんだから。
別に城田くんが好きだから、とかじゃない。
…僕が好きなのは蒼だし。
これは、ほんとに。
格好いい人が近くにいたら、ドキドキするでしょ?
芸能人がそばにいるって感覚。
憧れに近いあの感じ、だと思ってる。
何て言うんだろ。
テンション上がる!って感じのドキドキ。
だって蒼といるときはこんなんじゃなかった。
ドキドキして、でも、それでも苦しかった。
好きって、そういうものでしょ?
だから、この気持ちは、ドキドキは違う。
ただの憧れ。
皆の憧れの人のこんなに近くに入れることへの充実感と、優越感。
きっとそう。
そうに決まってる。
だって、僕はずっと蒼が好き。
好きで好きで、苦しくて。
それなのにすぐ終われるなんて、そんなはずない。
こんな風に、ふわふわして、ただ幸せな気持ちが、
好きって気持ちじゃない。
僕は、こんな気持ち、知らないから。
だからこれは、好きってことじゃない。
もちろん友達としては好き。
でもそれって、恋じゃないでしょ?
一緒にいて楽しい、隣にいることが楽しい。
でも、全然苦しくなんてない。
蒼のことを考えているとき、僕はずっと苦しかったんだから。
楽しい、嬉しいって気持ちだけじゃない。
それだけの感情なら、きっとこれは恋じゃない。
僕と仲良くしてくれて、こんなに近くにいさせてくれて、それでも拒むことのない学校一の有名人。
そこに、優越感を感じているだけ。
そんな軽い気持ちじゃない。
好きって、もっと苦しいはず。
僕は、ずっとずっと蒼のことが好きなんだから。
それしか、考えられないはずなんだから。
たとえ蒼が通くんのことを好きでも、諦めないって決めたばかり。
だから、僕が今も好きなのは、蒼。
それはきっと変わらない。
これからだって、ずっと。
………そうでしょ?
そうじゃなきゃ、困るもの。
今までの蒼を好きな僕の気持ちが、軽くなってしまうから。嘘みたいになってしまうから。
だから、これは、憧れ。
僕は、蒼が、好き。
城田くんのとなりにいる間、僕は自分に言い聞かせていた。
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