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再会
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たっちゃんだった
本当にたっちゃんだった
思わず走って逃げてしまった
たっちゃん変わってない
ずっと好きだったたっちゃんだった
「はぁ…はぁ…」
「あれ?渚?そんなに息切らせてどうしたの?」
「あ…シンちゃん…」
声を掛けてきたのは大学時代の友人、慎二だった
今は彼とルームシェアをしている
達也と付き合ってた頃もよく遊んだりして
唯一の長く付き合いのある友人だったりもする
「んーん…別に、何でもないよ」
「そう?」
不思議そうに渚を見つめ、手にした買い物袋持ってマンションへと入って行く
その後を追うように渚も歩き始めた
「もうだいぶ腫れも引いてきたね」
「え?…あぁ、うん」
「渚可愛い顔してんだから痕が残らないか心配したけど大丈夫そうだね」
「はは…何それー、別に残ってもいいもん気にしないし」
エレベーターの中で点滅する階番号を見ながらそんな話をした
あれは達也との証だったから
残ってても良かった、本当にそう思ってた
僕にとって、それがキスマークみたいなものだったの。
「会ってないだろ?元カレと」
「えっ……う、うん!会ってない!」
「本当に?」
「本当!会ってないよ!」
慎二は渚の傷だらけの体を知って手当てをしてくれた
そしてもう二度と達也に会わないようにと、強くお願いされて首を縦に振った
それから渚の安全を第一に一緒に住むよう提案してくれて今に至る
「本当心配だよ渚は、なんかあったら直ぐ言えよ?」
「えーそうかなー?心配しすぎだよシンちゃん、僕は大丈夫だよ、ありがとう」
「いやダメダメ、渚の事は俺がちゃんと面倒見るから」
「はは…、変なの、シンちゃん彼女いるのに僕なんか相手してたら怒ってくるよ」
「別れたよ」
「えっ……?あ、そうだったんだ…ごめんね、余計な事言って」
「いや、謝んなよ、全然気にしてないから」
ちょうどエレベーターが止まりドアが開いた
はは、と笑った慎二が歩き出したのでそれについて行くように渚も家へと向かった
するとポケットの中の携帯が鳴り出した
…♩〜♩♩
「はい?」
『あ、渚?俺だけど』
たっちゃん……?
「ごめん、切るね」
『あ、おい待てよ、話したい事あんだけど夜会えない?』
「……何?話って」
『会ってちゃんと話したい』
こんなに優しい声のたっちゃん、久しぶりだな
ドキドキする
「……わ、分かったよ」
『ごめんな、ありがとう。俺んちで待ってるから』
電話を切って暫く胸の高鳴りがおさまらなかった
たっちゃんの家…か
何もかもが久しぶりで今から緊張してる
「電話、誰?」
「あっ……友達!」
「友達?ふーん、どっか行くの?」
「そうなんだー、夜遊ぶ事になってさー」
「今日渚の好きなカレーだよ、食べてから行きなよ」
「えっ!カレー!?」
「嬉しい?」
「すごい嬉しい!!」
満面の笑みで喜びを表現して慎二も満足気な表情を見せる
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