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この気まずい雰囲気は
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「あっ……もっと……ああっ……」
「………………」
ああなんでこうも運が悪いのだろう
放課後先生にこの荷物を倉庫に運んでおいて~と
押し付けられこの倉庫へやって来たのだが
中は使用中だったようでどうしようかと悩み中
「ぅん……あん…そこ……」
しかもなんだこれ
男の喘ぎ声が聞こえるではないか!!
え?何?まさか男同士の情事ですか?
更に気まずさが増した
この俺、天桐詩乃(あまぎりしの)は
荷物を持ったまま立ち尽くしていた
今すぐ立ち去りたいのは山々だが
この荷物をどうしろと言うのか?
このままここに置いて帰る訳にもいかない
これではいつまで経っても帰れないではないか!?
まぁ別に、急いで帰る必要もないのだけれど………
「んぁ……こ…や……くん……すき…すきぃ…!!」
男の甲高い声が一段と大きくなったと思ったら
静かになりはぁはぁと吐息だけが聞こえる
終わったのかなと悟った詩乃はもうすぐ出てくるであろう彼等に見つからないよう
取り合えずこの場から離れて出ていったところで
この荷物を片付けようとそっと踵を返す
だが彼等の情事に動揺し足が縺れてしまい
咄嗟に片足を大きく前に出し何とか転ばずに済んだものの
思いっきり大きな音を立ててしまった
まずいと思い早くこの場から立ち去ろうとするも
ガラガラと扉が開き一人の男が姿を現した
「おい、お前何やってる?」
「や、やべぇ…………」
男の鋭い低音が詩乃へと突き刺さる
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