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俺が守るから
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昨日の夜父さんはしばらくの間ずっと泣いていた。
俺は父さんを抱きしめてソファーでそのまま眠りについて起きた時には父さんは隣にいなくて、キッチンの方から音がして見てみたらご飯を作ってる姿が目に入った。
「もうこんな時間か…」
時計に目をやると針が7時半過ぎを指していた。
父さん、大丈夫なのかな。
これから先どうすんのかな、倒産って事は借金があるって事だよな?
俺ら生活してけんのかな。
高校に行かないといけない俺はこの先の事が不安でたまらなかった、母さんは当の前に離婚していて俺と父さんの二人暮らしだった。
こんな事になってしまえばもうどうする事も出来ないだろう。
「蓮、起きたのか」
父さんの声がして俺は顔を上げた
「あぁ、父さん起きるの早いな」
・・・普通だったらこの時間父さんは仕事でもういない、はずなのに今はここにいる。
不思議な気分だった。
「ご飯出来てるから食べようか」
「ん、」
父さん、ホントは一番父さんが辛いんだよな?
母さんが死んでしまったのも倒産してしまったのも。
男で一つで俺を育ててきたのも。
俺のために一生懸命働いてくれた事も、
俺は全部知ってるよ。
「父さん。」
「ん?」
「次は…俺が父さんを守るから」
驚いた目で俺を見てきた父さんは優しく微笑んで
「ありがとう蓮」
少し重い空気が流れて2人で無言になっていたが、
「あ、父さんご飯冷める食べるか」
ご飯の話を切り出し、
重い空気から開放され父さんの美味しい料理を頬張る。
(父さんは料理上手だな)
なんて思いながら全て食べ終え食器を片付け、俺は再びソファーに座る。
「父さん。
……………これから先どうする?」
話を切り出し父さんは一瞬表情を歪ませ俯いてしまった
だが、話し合わなければ元も子もない。
俺は父さんの顔を覗き込んで頭を撫でてみた
「こ、コラ蓮」
「そんな暗い顔してちゃダメだろ。」
父さんのデコにデコピンを一発食らわせてやったら
「痛いぞコラ!」
笑いながらデコピンをしてこようとするが俺は華麗に避け二人でしばらくの間自然と笑っていた
「父さんは笑ってる方がいいと思う」
素直にそう伝えてみれば父さんは飛びっきりの笑顔で
「だな!」
とお茶目の様に目を細め微笑んでいた。
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