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逆転
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ヤンキーの顎に頭をぶつけてやや5分。
まだお怒りでございます。
先生助けてくれ、という目を向けたらニコッと笑って『仲良くなー』と言ってどっかに行ってしまった。
先生にも見捨てられるって…笑
そして五分間の間ずーっと胸ぐらを掴まれたままこのヤンキーさんは黙って俺を鋭い目つきで睨んでいる。
(腕疲れないのか…?)
なんてやや心配しながらもビビりまくってる蓮はきっとヤンキーからしたら相当怯えてるように見えるだろう。
「ご、めんなさ…ッ」
「悪ぃ」
パッと離された手は何故か俺の頭に乗っかっていた。
……どうゆう吹き回しだよ。
「ビビらせたな」
「………」
首を振って強がるが、実際のところ手足ガタガタで立ってるのもやっとだ。
「マジでビビってんのかよ」
馬鹿にしたようにケラケラ笑い出したヤンキーに俺は腹が立って強がった。
ビビってねぇよ…ッ!!
まぁ、言葉には出さないけど。
そしてひとつ思った事、それは・・・
この人絶対関わったらやばい奴だ。
絶対目も合わせなければ話もしたくない。
こんな肌寒いのに汗かいてたし。
しかも胸ぐら掴まれた時腕の血管凄かったし。
俺よりは背ぇチビだけど、って俺がデカすぎるのか。
「顎…」
「あ?」
なんで返事する時まで喧嘩腰なんだヤンキーって。
「顎…」
俺『顎…』しか言えてないぞ。恥ずかし過ぎるだろ!!
不思議そうに俺を見てるヤンキーに俺は思った。
察しろよ、と。
しかも平然とした顔してるけどさっきまで痛くて激おこになって五分間も胸ぐら掴んできたんだろ?
なのに今なんて何事も無かったような顔して俺を見てるよこの人。なんかすげぇ腹立つんですが。
なんでこんなチビに俺が胸倉掴まれないといけないのやら?
あ、あかんあかん。
口が悪くなってきた(ヒェッ)
「……おい。」
「はい。」
「お前背ぇ高いんだよ」
そう言って俺の肩を鷲掴みにしてしゃがませようとしてくる
「おい…しゃがめよ」
(え?嫌です←)
「テメェ…しゃがめって言ってんだろッ!!」
パンッ──。
気に食わないと思ったヤンキーは蓮をいつの間にか平手で打っていた。
は・・・ぃ?
なんで俺ビンタされた?
「ッ………」
「…ぁ、」
俺は目を見開いて硬直した。
「ッ悪ぃ…い、痛かったか?」
反省してるのであろう。目を泳がせ謝罪の言葉を述べてきたが今の蓮にはその言葉は届いていなかった。
「お、ぃ…おいって…」
「ふざけんな…ッ!!
なんで俺ばっかりこんな目に遭わねぇといけねぇんだよ!!」
怒りでいつの間にが怒鳴っていた連は…
先程まで胸倉を掴まれていたが、その立場は逆転。
今は蓮が胸倉を掴んでいた。
「俺がなんかしましたかね。
アンタさっきから我が儘だぞ…意味分からん所でビンタしやが って。」
「ごめっ…、い"ッ」
いつの間にか吹っ飛ばされたヤンキーはガタンッと音を立て机にぶつかり呻き声をあげていた。
それでも蓮の怒りはピークまできていて、怒りを抑える事が出来なかった。
「いらない」
「……ッぅ"」
「カレーパン、どうもありがとうございました。」
手に取ったカレーパンをヤンキーに投げて付けて俺は教室を後にした。
………あ。
やってしまった。
皆さん今の俺じゃない(いや、君ですよ)
我に返った俺は後悔した。
明日から完璧パシリにされると、
俺のような奴がヤンキー吹っ飛ばして…
って俺何やってんだよッ…!!
最後のヤンキーを何故か思い出して、俺の心は申し訳ない気持ちで埋め尽くされた。
前まではビンタ以上に酷いことされても怒らなかったのに、
たかが、ビンタであそこまでキレるなんて。
俺のような分際が、あんな事してしまうなんて。
「……………」
カレーパンもせっかくくれたのに。
カレーパンも…もしかしたらあの人の優しさかもしれない。
俺はなんて事したんだ。
そして、俺は急いで教室に戻った。
(いないかな…)
って思ったけど、ヤンキーはまだ座っていた。
俺は声を掛けようとしたけど・・・
そこで俺が目にしてしたのは、
ヤンキーがまさか、まさかの泣いていた←
衝撃で言葉が出ないでいると、俺がいる事に気がついたのか服で涙を拭ってまたキレてきた。
「ッ…み、見てんじゃねぇよ…ッ!!
泣いてねぇからなッ…」
「…………」
泣いてるじゃん。
「ごめんなさい…」
「死ねっ…!!」
・・・。
可愛くねぇなァァァ
少し冗談混じりで睨み付けてみると…
「ひ…ッ」
手がわなわな震え出して目には涙を溜めていた。
これっておもっきりビビってるよねこの人。
そして俺ら二人はしばらくの間沈黙が続いた。
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