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憎んできた奴と再開
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チュンチュン──。
可愛いスズメの鳴き声で目が覚め。
昨日まで吐きそうなほど空いてたお腹は、不思議と大丈夫で、寝起きのせいで昨日の事件を忘れてた俺は普通に部屋から出て時計を見る。
「あー…もう六時か…」
ダルいなぁと思いながら再び部屋に戻り学校の用意をしていく
「歯ブラシ…あったあった」
今日なんか無性に寒気がするな…。
まぁ特に気にせず洗面台に向かい歯磨きをし終わり、制服を着てソファーに座る。
しばらくの間半目のまんまボーッとしていたら、ガチャッと音がし振り返る。
「……」
そういえば名前聞いてなかったな。
「おはようございます。」
何故かキョドってるこの人に挨拶をした。
「あの、昨日自己紹介してませんでしたね。
俺の名前は霧元 蓮です。」
「えっあっ…」
「そちらわ?」
結構なキョドりっぷりにこの人も人見知りなのかな?と考えていたら、徐々に目が覚めてきた。
「ぼ、僕の名前は…魅織ですっ」
振り絞った声で名前を教えてくれた。
みおり…か。女の子みたいな名前だな。
なんて考えて昨日のことが頭をよぎると…
「………ぎ、」
「……ぎ、?」
「ぎ、ギャァァァ…!!!」
「えっ…!?えとっ」
「俺ッ…すみませ、昨日の事忘れてて…」
昨日の事を完璧思い出しまたもや赤面してく顔に俺は小っ恥ずかしくなって急いで鞄を手に取り逃げた←
「ハァッ…ハァッ」
俺って逃げるの好きだな…
しかも何故、何呑気に名前聞いてんだよ…信じられない。
死ね。ホントに死ね。俺。
うわ…しかも羽織もの忘れたからすげぇ寒い。
もー馬鹿すぎて洒落にならん。
せっかくだし…校内でも回ってみるか?
でもこんなけ広けりゃ迷う可能性あるかもな。
まぁ俺の記憶力の良さにかけてみるとするか。
寒い校内をのこのこ歩く。
人の姿は全くと言っていいほど
無くて結構ぼっち感がやばい。
この映像…相当シュールだなー、なんて考えていたら。
ふと、人影があるのが目に入った。
(うわ、人いる。)
逆にこの時間に人いるのが怖い。
なんせ結構通り道暗いしシーンって静まり返ってるからだ。
挨拶するのも、なんか…なぁ。
そんな度胸無ければあそこに通らなければ進めれない、という過酷な試練が待ち受けていて今にもUターンしたいぐらいだ。
まぁ…Uターンした所で魅織さんと会うのも嫌なのだけれど。
そしてうだうだ考える事およそ1分。
あまりにも寒すぎていたたまれなくなりとっとと通り過ぎる事にした。
(少し隣歩きますよー…)
いらない報告を心で呟き、通り過ぎようとした時…。
「貴様。ちょっと待て」
知らぬ低音ボイスの声が…
俺達しか居ない校内に響き渡った──のだが。
「校内を歩いていい時間は7時半からだ。
今何時だ?」
「………」
(は?そんなん聞いてないぞ…!!)
それに、普通に校内入れちゃったから仕方ない…ような←
そんなルールあるなら先に教えてくれたっていいだろう先生!!
「す、すみません…」
とりあえず謝る事にはしたが、暗くてこの人の顔が良く見れない。だけど背が俺より高いのは分かりきったことだ。
「謝るのはいいが、今度からは気をつけろ。
二度目はないぞ。」
「………?」
なんだろ…どっかで聞いた事あるような声だな…
なんか、引っかかる。
・
・
・
ッ………!!!
『テメェ二度目はねぇぞ』
思い出した。
衩橐から虐めを受けてた頃に足を引っ掛けられて俺が弁当ぶちまけてその時に衩橐の顔面にヒットしてしまった時に言われたんだ。
その足引っ掛けた奴もボコボコにされてたけど…
「何を突っ立ってる。とっとと寮に戻れ」
先程までは知らぬ人と思っていたけど…
もしかしたらコイツは知ってる奴かもしれない。
この上から目線の口調も声の発し方も。
アイツに似てる。
そう考えると段々吐き気と目眩。それとは裏腹に…
腸が煮えくり返りそうな程…殺意を感じた。
「おい…話を聞いてんのか……ッおい。」
「アンタ名前教えろよ。」
本人かも分からない状態で俺は薄暗い外廊下で爪が食い込むまでコイツの腕を掴み握り締め睨みつけた。
俺は顔を上げコイツの顔を見てやった。
「痛いのだが。」
「名前教えろって言ってんだけど」
「何をそんなに興奮してる」
「いいから…教えろって」
「言葉を慎め」
ハッキリ見えたその顔は。
前とは比べ物にもならないぐらい大人びた……
俺がずっと憎んできた張本人『衩橐』だった。
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