アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
水道水だって美味しいよ←
-
「…………」
寒い。寒すぎる。
周りのクラスメイトを見てみればガウンやらなんやら羽織っているけど俺はない。
して、さっきから…
俺の腹の音がうるさい笑
何も食ってないせいか…そろそろ俺も息絶えてしまうよ。
(あー…やっぱ寒い…めっちゃ鳥肌がぁぁ)
最近いい事ないなぁ…虚し。
「ぃ…」
「はぁ…」
「………っい!」
「へ?」
「お前聞いてんのかよ!」
「……俺ですか?」
「お前だよ!」
変なコントし終えた後俺は顔を上げて、ビックリした。
「え…」
この前のヤンキーではないか…俺に焼きそばパンをくれた。
「これ、これ食え」
そう差し出された手には………
再び焼きそばパンが乗っかっていた。
「あと、俺の名前…新月 輝(シンゲツ ヒカリ)な。」
一瞬目を疑った。まさか…またヤンキー、いや輝さんが話しかけてくるとは。
以前クズみたいな行動をとった俺にそれでもここまでして俺に焼きそばパンをくれるのか…と。
「あ、ありがとう…」
逆に俺はビビりながらも輝さんの手にのってるパンを受け取り頭を下げる。
「お前、顔色悪い」
「え、いや別に…」
顔を近づけられ小さい声で呟かれた声に俺は驚いた。
気づいてたのかって。
「ちゃんと飯食ってんのかよ」
「あの…それより」
「あ?」
この人昨日まで俺にビクビクしてたくせに口調治ってるよすっかりと。
やはりあれは紛れだったか、それとも夢だったのかな。
「この前は…ごめ、んぶっ」
「シィー!!! 黙れ!!」
「……」
少々大きい声で謝ろうとした所見事に手で口を塞がれ上下に首を動かし分かりましたのサインを送る。
「お前…次おっきい声で謝罪しようとしたら殺すからな」
「え…っそこまでする…!?」
「黙れ!つーか声デケェんだよ!」
「痛てッ」
「そ、それより!れ、蓮、それ早く食えよ」
「あ、ありがとう輝さん」
輝さんの優しさに頬が緩み自然と笑がこぼれた。
机に置いていた焼きそばパンを取ろうとしたら…
「……さん、いらねぇ。
ひかり…輝でいい。」
「いや…それは、」
「輝って呼べ!! じゃねぇとシバくからな。」
「は、はい…」
脅しじゃねぇか←
「有難う輝、以前はごめん」
素直にお礼を言いさり気なく謝った。
すると、輝の顔が徐々に赤くなっていき、どうしたんだろ?と思いガン見してたら
「………こっち見んなアホ!」
「え……ぶッ」
俺よりも先に焼きそばパンを手に取り俺の顔面に投げて席に戻っていった。
(この前の仕返しか…?)
面白くて一人でパンを見て笑っていた。(変人か←)
・・・
そして昼飯の時間になり先程貰ったパンを貪りくっている。
飢えた豚のように食っている←
…………。
(足りないんですけど)
美味い。
美味すぎて堪んないんだけど、美味すぎて足りなくなる…
喉乾いたし、死ぬのかな俺…
なんか最近飯食ってないだけで死ぬのかなみたいな事考えてばっかだな…笑
よし、気を取り直して…
(水道水の水でも飲もう)←ダメでしょ。
立ち上がり、クラスメイトがわさわさ居る横を通り抜け教室を出て蛇口があるであろう場所を探す。
が………
何処も彼処も人が居すぎてなかなか蛇口を見つけたのはいいが飲めない笑
諦めるしかねぇのかぁ…
てゆーか、ペットボトル持ってる人のひったくって飲みたい笑
あかんあかん、犯罪考えたらアカーン!!!
もう少しでチャイムが鳴ってしまうのか男子達はゾロゾロと教室に入っていく。
この寒い廊下で俺はただ…
やーっと、水が飲める。としか考えていなかった
蛇口の取手を捻り水を出し手に注いでから飲みそれを5回ぐらい続けた。
「あー…結構美味いな」
まさかに貧乏らしい事してるが、それさえも気にならなかった。
「あ、戻んなきゃやばいな」
濡れた手を貸してもらった制服で拭き教室に戻った。
「…まさかアイツ…水道水の水飲んでた…?」
まさか誰かに見られてたとは…思いもしなかった。
(別にいいんだけど←)
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
23 / 33