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突然の来訪者
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夜の11時過ぎ。
「あ゛っつ~~………」
風呂から上がり扇風機の風に当たっていた圭人のスマホに突然、祐也からの着信があった。
正直、嫌な予感しかしなかったが無視するわけにもいかず、出ると案の定。
「あ!良かった~圭人起きてて!あのさ、今バイト終わったんだけど、財布家に忘れてきて、定期も行きで切れちまってさー……泊めてくんね?」
「………お前なぁー…」
圭人と祐也は大学からの友人同士だ。
初めて会ってから3年足らずだが、今ではこんなふうにとんでもない電話がいきなり来ることも珍しくないほどの、打ち解けた仲だった。
…もっとも、こんな電話がかかってくるのは、祐也から圭人に向けてだけだったが。
祐也のバイト先は割合に圭人の家の近くだったため、今日のようなことはもう圭人にとっては慣れたものだった。
圭人は電話を切ってやれやれ、とため息をつくと、クローゼットの中からタオルケットを取り出して、2人掛けのソファの上に放った。
これまで何度かこんな事があり、祐也が圭人の家に泊まりに来る時はソファで寝るというのが無言の了解になっている。
身長が180近くある祐也には小さすぎる寝床だろうが、この場合あいつに文句を言う権限はない。
むしろ突然すぎる客に寝床を用意してやるだけで親切なものだ…そう思って、圭人はまたため息をついた。
祐也が圭人の家に着き、シャワーから上がってくると、時刻はもう日付が変わった頃だった。
「いやあ~悪りぃな、いきなり押しかけてシャワーまで借りて~」
「悪いと思ってるなら態度に示せよ。それに、ついさっきまで居酒屋で働いてた奴にシャワーも浴びないでソファに寝られたくないだけだ」
圭人はたっぷりと皮肉を込めてそう言ってやったが、祐也にはイマイチ届いていないようで、ヘラヘラと笑っている。
祐也は疲れた体にシャワーを浴びてだんだん眠気がやってきたのか、わずかに瞼が落ちてきているようだった。
「あぁ?…っだよ、まぁいいじゃ~ん…明日土曜だしさ。…ふあ、ねんむ……」
「そういう問題じゃないんだよ、ったく…俺もう寝るからな。お前はそこで寝ろ」
相変わらずの祐也の自由奔放さをいつも通りに軽く流し、ソファを指さしてそう言うと圭人はベッドの上に寝転がる。
そして、電気を消そうとリモコンに手を伸ばした。
…するとあろうことか、寝転がった圭人の体に覆いかぶさるようにしてベッドの上に祐也がなだれ込んできた。
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