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朝はいつも憂鬱だ。
眠くて、やる気も出ないし、学校は教室でいつも一人だからつまらない。でも、そこに夏輝がいると少し楽しく感じるはずだった。
俺は部活の友達に恋愛のことを相談してみた。
放課後とか、少し遊びに行ったりしていて、緊張せずに話せるようになり、信用できたから。
「…でね、どうすればいいのかなって思って。」
「まぁ、好きなやつが男なんだよな…。」
「いっそ告れよ。」
「いや、無理。」
蓮は真面目に考えてくれてるけど、颯汰は適当で、聖真は基本的あまり喋らないが、ここぞという時に、いいことを言ってくれる。
「てか、そいつ好きなやついんの?」
「わかんない…。」
「ちょっと聞いてみれば?緊張するかもしれないけど…。」
「うん…。聞いてみる。」
時間を見ると夜の九時。思ったより時間の経過が早くて少しビックリする。
そろそろ帰らなくちゃといい、家に帰る。
帰っても誰もいない。両親は他界し、俺一人残されてしまった。両親が他界する前はここに住む予定だったのでこのままひとりでここまで引っ越してきた。
玄関の重い扉を開ける。ただいま。と言ってみるが誰も返してくれる人はいない。
暗い部屋をさまよい、スイッチを探す。
寂しいな。
そんな感情が心の中に浮かび上がる。
でもいつか、こんな感情なれてしまう。痛みも辛さも、苦しみも。それが続けばいつか慣れてしまって、何も感じなくなる。俺はそう思ってる。というか、そういう状態に近かった。
いつかここに、『ただいま。』といったら『おかえり。』と返してくれる人が夏輝だったらどんなに幸せだろうか…。
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