アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
8
-
俺といるのは嫌なのだろうか。
でも、あいつは違うって言ってた。じゃあ、何で?
理解ができない。
俺は出来ればあいつと一緒にいたいのに…。
スマホが一瞬光った。
あいつから?
「さっきはごめんなさい。本当はちょっと悩み事があってひとりになりたくてここ一ヶ月夏輝のこと避けてた。」
悩み事…?避けられてる間、あいつは蓮ってやつとよく一緒にいた気がする。そいつに相談していた?
あいつには相談できて俺には相談できないこと?まさか、あいつは蓮ってやつが好きなのか?
頭中が混乱する。さっきから自分が言ってることはおかしい。
できれば一緒にいたいとか、俺に相談出来ない事とか言ってひとりでパニクってる。
考えるのはやめよう。わかった。とでも返しておこう。
夏休みまで残り一週間を切った。
夏休みと言っても部活があるから、休みって感じはしない。
「あ、あのさ、夏輝君は夏休み予定ある?」
「ごめん。予定ある。」
なんで嘘ついたんだろう。普通だったら好きな人からの誘いは嬉しいはずなのに、頭の中に浮かんできたのはあいつの顔だった。
何故か、あいつと祭りに行きたいと思った。
もしかして俺は…なわけないか。
誘いを断ってまで、あいつと行きたいと思ったんだ。誘うしかないな…。
「おい、お前夏休み予定あるか?」
帰り道、なんとなく聞いてみる。
何故か心臓がバクバクとしていて、いつもより少し大きい鼓動が聞こえる。
「何も無いよ。」
「だったら一緒に祭り行くぞ。どうせお前ひとりだろ。」
「え?いいの?叶ちゃんは…?」
「いいんだよ。準備できたら俺ん家こい。」
そう言っていつも通り、スタスタと前を行く。
さらに早まる鼓動をあいつに聞かれないように。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
9 / 40