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夏が終わり、今は秋。
段々とここにも慣れてきた。今でも夏輝のことが好きだ。でも、夏輝とはなんの進展もない。
「蒼ちゃん!」
「あ、おばさん…こんにちは。」
「本当に急な話でごめんね。もうすぐで冬でしょ?ここら辺積雪が凄いの。蒼ちゃん一人暮らしだし、雪かきとか大変だと思うから家に住まない?」
話が急すぎて頭がついていかない。
おばさんの家に住むということは、夏輝と一緒に住むということ。嬉しいけど、気まずい…。
「とりあえず、一回家においで。」
「はい。」
俺はおばさんの後を追い、家に上がらせてもらう。
広いなぁ…
多分、一番奥の部屋は大きな声を出してもここまでは聞こえてこないだろう。
「でね、実は私、蒼ちゃんのお母さんと同級生だったんだ。すごく仲が良くて、親友だった…。でも、大学に行くとともに東京に行っちゃってたまに連絡を取るぐらいになっちゃったの。久しぶりにこっちに帰ってきた時、またここに戻ってくるって聞いて嬉しかった。でね、その時言われたの。何かあったら蒼をよろしくねって。ごめんね。今までずっと言えなくて。何かあってからじゃ遅いと思うの。だから、ここで住まない?」
「とりあえず、少し考えさせてください。」
そう言い残して、俺は家を飛び出した。
結局一週間悩んだ結果、おばさんの家に住まわしてもらうことにした。母が頼んだんだ。何かあってからじゃ遅いって…。
確かにここら辺は積雪がすごいと有名だ。ひとりで除雪するのは大変だろう。だったら一緒に住んだ方がいい。そう思った。
「よろしくお願いします。」
「そんなにかしこまらないで。自分の家のように住んでちょうだい。」
「はい、ありがとうございます。」
かしこまならないでと言われても、ここ半年ひとりで暮らしてきた。なのに急に家に帰ったら誰かがいるなんて変な感じだ。
しかも、家に帰ったら誰かがおかえり。と言ってくれる。きっと夏輝は言ってくれないだろうけど、嬉しかった。
「よろしくな。」
「うん、よろしく。」
好きな人のそばにいられる。でも、気まずい。
用意された自室は夏輝の隣で、一番奥の部屋だった。
壁越しに夏輝いる。少し大きな音を立てれば隣に聞こえる。他人の生活音が聞こえるって変な感じだ。慣れない。
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