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少し嬉しそうにしながら蒼は部屋に入ってきた。
じっとこちらを見ている。
「なんだよ…」
「ううん。何でもない。」
何でもないやつが人の顔をガン見しないだろ…。
「あんまり見るなよ…」
「ご、ごめん…」
落ち込むなよ。いつも俺の前じゃ笑顔なんて見してくれないのに、落ち込んだ顔は見せるのかよ。
「好きな食べ物は?」
「え?知ってるんじゃないの?」
「良いから」
「葛饅頭。というか、和菓子が好き。」
和菓子か…。
「夏輝は?」
「俺は…味の染み込んだ肉じゃが。」
「何それ」
あ、少し笑った。こんな事で笑うのか。
なんか、嬉しい。
今日の晩ご飯は少し豪華な気がした。いつもはこんなんじゃないんだけどな。
やっぱり蒼が来てるからか…?
「たくさん食べてってね。」
「ありがとうございます。」
蒼は父さんと母さんと話しながら食べている。
俺も話したいのに…。
そんなことを思っていたらあっという間に食事は終わってしまった。
「じゃあな。」
「うん、ばいばい。」
そういって蒼は帰っていった。
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