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俺は今日もまた蓮と登校し、お昼を食べ下校を共にした。
「おい、蒼。ちょっと来い。」
後ろには聖真がいる。
「お前、夏輝が好きなんじゃないのか?なのにいつも一緒にいるのは蓮じゃねぇか。一緒に学校来て、飯食ってたのに、なんで急に蓮なんかと食ってんだよ。」
「そ、それは…」
「蒼、何隠してるでしょ。凄く大切なことというか、大きな事を。」
俺は黙ってしまった。図星を突かれ頭が回らない。
「そうなのか、蒼。ちゃんと言えよ。一人で抱え込むな。何でそうやっていつも抱え込むんだよ…」
目尻にゆっくりと涙が浮かんでいくのがわかる。
俺は全てを話した。本当は夏輝が好きだってこと。でも、どうでも良くなっちゃって蓮とセックスをして付き合っていること。どうしてこうなってしまったのかも話した。
「んで…なんで隠してたんだよ。俺たちそんなに信用出来ないか?」
「違う…そうじゃない!言えなかったんだ…怖くて…」
「気づけなくてごめんね…辛かったよね…ごめんね…。」
なんで聖真が謝るの。謝るのは俺の方なのに…。
「そういうのは隠さないでちゃんと言えよ。言いづらいかもしれないけど、お前の辛い姿なんてお前の友達として見たくない。いつも馬鹿みたいに笑ってる蒼でいろよ。」
「うん、ごめんなさい…」
「いいから。」
ふたりは俺が泣き止むまで黙ってそばにいてくれた。
「ったく、にしても蓮も蓮だよな…蒼が夏輝のこと好きだってわかってるのにセックスしようとかよ…」
「それは俺がいけないんだ。ちゃんとあの時断ってれば…」
「自分を責めちゃダメ。蒼は何も悪くない。いつもいつもそうやって自分を責めてばっかりじゃないか。蒼が悪くないのに全部自分のせいだって。」
本当に俺は何も悪くないのだろうか。それは絶対違う気がする。あの時、嫌とかそんなことを言っていれば良かったのに断りきれなかった俺がいけないんだ。
「蒼はどうしたいんだ?」
「もっとたくさん話したい。一緒にお弁当とか、登下校して、ぎゅって…思いっきり抱きしめられたい…。蓮とはもう別れたい。」
いつまでも好きじゃないのに蓮と付き合ってはいけない気がした。俺は夏輝が好き。
その気持ちに正直になろう。そう思った。
「じゃあはやく蓮と別れろ。いつまでもズルズルと引きずってるとめんどくさいことになるぞ。」
「大丈夫。もし不安なら俺達も一緒に行くから。」
「ありがとう。本当にありがとう。」
俺は泣きながら颯汰と聖真に泣きながら謝り続けた。
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