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放課後、俺は部室に向かっていた。
誰もいない。遅刻か。
階段を降りていると話し声が聞こえた。
「蓮、あのさ…」
蒼か?
自然と足が止まり、音を立てないようにそっと座った。
「言いたいことがあるんだ。」
「どうしたの?」
「別れよう。」
「え?何で?」
「好きな人ができた…違う。やっぱり、諦めきれなかった。蓮と付き合ってる間俺はずっと考えてた。デートしてる時も、セックスをしてる時も。もし、もし好きな人だったら…夏輝だったらって…」
「そっか…ごめんね。」
「ううん。でも、これからも友達としてたくさん話したいからよろしくね。」
「うん。」
蒼だけが階段を降りていった。
蒼が好きなやつは蓮じゃなくて…俺?
そんな訳ないだろ…だって、俺のこと嫌ってたんじゃないのか?だって、蓮といる時はあんなに幸せそうな顔してるのに、俺といる時は全く笑わないじゃないか…。
「だってさ、夏輝。」
少ししてから蓮の方から声をかけられた。
「なんて顔してんの?早く追いかけなよ。きっと待ってるんじゃない?どこかで、夏輝が来ないかなーって。」
「どこにいるんだ?」
「自分で探しな。俺はどこにいるか知らない。」
俺は走り出した。
「蒼のこと幸せにしないと許さないからな!」
後ろから叫んでる声がした。
大丈夫。俺は絶対蒼を幸せにする。
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