アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
5
-
「ただいまー!朝の続き、する? 」
部活動が休みだった俺は、遊んで帰ってきたとはいえ、まだ陽の高いうちに自宅へと戻った。だが、いつもなら走って出迎えてくれる雪弥の姿がない。
それはとても静寂な空間で、違和感が胸を締め付ける。
「雪弥?どうしたの?帰ったけど……」
「……あ、春、なの。ルナ、動かないの……なんで、かなぁ……?」
「え?」
雪弥の腕の中で小さくなるルナは、いつもの温もりはその小さな体には宿してはいなくて。それは、「死」だけを主張していた。
ルナの身体はもう硬くなっていて、死んでしまったことはすぐに分かるはずだ。
「ルナは死んじゃったんだ」
「死、んじゃ、た……? も、動かな……いの? 」
雪弥はそう言って静かに涙を流した。
「そう、ルナはもう動かない。この世に残されたのは魂だけなんだよ」
「たま、しい……」
泣いている雪弥がかわいそうで、そっと抱き寄せる。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
10 / 14