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動かないルナを抱えて、動物の供養を行ってくれる人に会って、慎ましやかなお墓を建てた。雪弥は、今までとは比べものにならないほどしっかりとした足取りで、毎日欠かさずに手入れに通った。
一時は死を強く望んでいた雪弥は、本物の死を知って生への輝きを取り戻した。
「生きたい」と望んでくれたことだけで、とても嬉しくて涙が出そうなほどだ。
「今日は三日月だね、ルナの毛に似てるね」
ニコニコと随分と朗らかになった。
「そうだね」
ぽん、と頭に手を乗せれば、もっとふわふわな笑顔を見せる。
眠るときにはうなされることもあるようだったが、もう今ではすっかり落ち着いた。
念願の高校にも入学して、楽しそうに過ごしている。
「春に拾ってもらえてよかったなあ」
そう言って笑う限り、いつまでも白い小さな少年とうさぎは瞼の裏で生きていくのだろう。
「今日は一緒に寝ようか」
笑い合える、暖かな日々。
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