アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
犬猿
-
誠華高校。
少子化で次々と共学になっていく昨今、
誠華高校は創立50周年を迎える、男子校である。
創立した当初は勉学、部活動において優秀な高校として名を馳せていた。
しかし、数年ほど前から不良生徒が増え始め今ではすっかり不良の集まる高校として有名になった。
その誠華の2トップである溝口京介と、桐島類は犬猿の仲であった。
「おいおい...女顔のくせにタバコかよ?似合わねぇからやめろって」
京介は類を見つけ、話しかける。
「うるさいクソ野郎が。」
類はキッと京介を睨みつける。
吸っていたタバコを落とし、靴で踏み潰す。
「話しかけんなよ」
そう言って類は京介の後を去った。
本当....可愛いのは顔だけだな。
口は悪いし、タバコや酒もやってて
ウリやってるとか聞いたことあるし...
なんであんな奴が篠塚さんと...
篠塚翔太。
俺、溝口京介が尊敬してやまない憧れの先輩だ。
ケンカは強いし、仲間思いで正義感が強くて...男でも惚れてしまう。
去年は篠塚派閥と越智派閥に分かれていて、今年からはその派閥から決められた人物...所謂ケンカが1番強い奴がトップになる。
篠塚さんは、俺を真っ先に選んでくれた。
そんな篠塚さんは、現在のもう1人のトップ、桐島類と付き合っていたのだ。
桐島は幼なじみである越智さんの派閥についていた。
篠塚さんと越智さんの仲は良好だったが、
派閥というしがらみにとらわれる者も多かったため、一緒になることはなかった。
それに比べ俺と桐島は.....最悪だと思う。
1年の頃から俺はどうも桐島から嫌われている。
1年の頃は同じクラスだった。
初めて見た時は、綺麗なヤツだと思ってた....
そりゃ、男でもいいかなと思えるくらいの美人だ。
春も終わって夏休みに入る頃、
桐島が上級生から襲われそうになった時に助けた事があった。
でも桐島は、
「助けたとか思うなよ。こんなの、借りなんておもってねぇから。」
と礼もなしに、冷たい言葉をかけてきた。
最初は強がりなのかとも思ったが、
どうやら違うらしい。
俺が心底嫌いなんだろう。
篠塚さんと付き合ってると知ったのは、それから数ヶ月過ぎた事だった。
なんであんな奴が篠塚さんと付き合っているのか、最初は全くわからなかった。
でも、篠塚さんと一緒にいる時の桐島は笑顔が絶えなかった。
桐島が俺を嫌うのは、篠塚さんから目をかけてもらっていたからかもしれない。
嫉妬心むき出して俺に突っかかってきた事もあった。
そんな桐島が篠塚さんを振ったという噂を聞いた。
それは卒業が迫った1週間前の日だった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 23